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有料級ジャズ理論 詳説トライトーンサブスティテューション

更新日:4 日前


 

 ジャズのリハモナイゼーションとして、最もポピュラーなものの一つである、トライトーン・サブスティテューションについて解説します。これを読むことで、知っているようで知らないトライトーンサブスティテューションについて、深く理解することができます。ただし、最初の1文で既に、内容が意味不明の場合は、内容が理解できずに読んでも面白くない可能性があるので、予めおことわりしておきます。


 その前に、私はこのブログで、あまり細かいジャズ理論の話などはしていないつもりです。(例えば、Ⅴセブンスを更にツーファイブに分解するとか、メジャーコードの△7thと6thコードの違い等、諸々の理論。)理由としては、もしあなたがもっと学問的、楽典的な内容を知りたければ、他に説明しているサイトはいくらでもありますし、もっと言うと、お金を払ってでも書籍やレッスンなどで体系的にしっかり勉強した方が良いと思っているからです。


 私もジャズ理論は書籍でそれなりに勉強しましたし、プロに教わったこともあります。その理由は、自分はそれほど耳が良くないと思っているためで、どうしても理論に頼ったほうが便利なことが多々あるのです。よって自分が好きなビバップを中心としたジャズを解釈する上で必要となりそうな部分はある程度理解しているつもりです。しかし、クラシックの細かい和声理論や対位法、現代音楽などに関する難しいことは分かりません。


 このように、理論に対する許容度や必要性というのは、人によって実に差があるので、もしかするとあなたによっては、私の他の記事でも、十分理論にうるさく、難しく感じる方もいるかもしれません。いずれにせよ、理論をどこまで勉強し、逆に、何を勉強しないのか。どこまで自分の耳に頼って感覚で演奏するのか。音源の演奏が解釈しきれない時に、自分のアイデアに取り込むのか取り込まないのか。という選択は人それぞれです。


 こういったあらゆるプロセスを経て、結局最終的に出てくる音まで全て含めて、その人の音楽のセンス、レベル、取り組み方なのではないかと考えている次第です。メジャートライアドの#4(#11)や、短9度の音程を許容するのか拒否するのか、といったことも、基づく理論が異なれば解釈が変わります。それら古今東西の音楽理論の全てを網羅的に理解し、自分の音楽に反映するのは、少々無理があると感じています。理論はコピーした音源がやっていることを理解するため道具や手段であって、勉強自体が目的ではないということです。


 ではなぜ、そういった考えの私が、こんな理論的な話を書くことにしたのかと言うと、単純に、一つくらいは本格的なジャズ理論に関する記事を書いておけば、ジャズサイトらしさがいくらか増すだろう、と思ったからです。

 正直、無料ブログにしてはレベルが高いです。しかし、逆にレベルが高いからこそ、私自身、有料にして説明できるほど理解できている自信がありません。基本的に、実用より理論が先行していますし、私が厳密にこの理論に基づいた音使いをすることもほとんどありません。併せて、厳密に楽典的な説明を矛盾なく網羅できているか不明です。そんな内容ですから、「有料級」な情報ではありますが、あくまで、こういった形で掲載することにしました。


 それでは本題に戻りまして、まず本考察はMark Levineによるthe Jazz Theory Book(ATN)を参考文献とし、その考えを色濃く反映していることを予めご理解ください。


 では、トライトーンとは、全音三つの音程であり、ドミナントセブンスコードの3度と7度の音程のことです。非常に不安定で、どこかへ進行したがるサウンドであり、多くの場合、Ⅰのコードへ解決します。この時重要なのが、トライトーンは、「サークルオブ5th(図.1)にて、反対側にあるドミナントセブンス同士で共有されている。」ということです。

 【図.1】

サークルオブ5th

 この関係から、「裏コード」と呼ばれるわけです。すなわち表のコードの「3度と7度」は、裏コードの「7度と3度」となり、ツーファイブワン進行において、Ⅴコードを裏コードⅡ♭にすることで、コード進行のルート音が半音で進行することになります。(図.2)例:Dm7-G7-C△7→Dm7-D♭7-C△7。

【図.2】

楽譜

 この時、表コード(例:G7)のオルタードスケールは、裏コード(D♭7)のリディアンセブンス(リディアンドミナント、リディアンフラットセブンス等)と同じ構成音であり、その構成音というのは実質、オルタードの半音上(例:A♭)のメロディックマイナーを演奏していることになります。ここまでは、トライトーン・サブスティテューションとしてはかなり基本的な内容です。(図.3)


【図.3-1】

楽譜

【図.3-2】

ピアノの鍵盤

 

 ついでに余談ですが、ショパンの「別れの曲」として有名な練習曲作品10-3の中間部の前半の難所は、このトライトーンが連続している、「だけ」なのですが(とても難しく)、あの不安定さは、トライトーンの音程によるものだと思います。また、裏コードはクラシック理論では「ナポリ和音」と呼ばれており、さらに「トリスタン和音」を知ることは、トライトーンとテンションの扱いに通じるものがあります。こちらの話は門外漢なので、この辺りまでにしておきます。


 次に、この表コードと裏コードの次に、ディミニッシュまで拡張してコードの代理を行うことを考えます。具体例は上記を継続します。G7やD♭7のテンションの♭9をルートと仮定し、3、5、7度を重ねた4音は、A♭dim7やDdim7の構成音と同じことが分かります。そして、このディミニッシュコードの構成音は、Bdim7とFdim7と同じであるため、これら、4つのディミニッシュコードは全て互換可能です。(図.4)


【図.4-1~4-4】

ピアノの鍵盤


ピアノの鍵盤

ピアノの鍵盤

ディミニッシュコードの楽譜

 では、逆にBdim7とFdim7は何の♭9と、3、5、7度なのでしょうか?もうお分かりの通り、B♭7とE7です。つまり、ドミナントセブンスを♭9と3、5、7度のディミニッシュコードでとらえた場合、G7、D♭7、B♭7、E7は全て互換可能です。同時に、ディミニッシュの構成音<ラ♭(ソ#)、シ、レ、ファ>は、G7とD♭7のトライトーン<シ、ファ>及びB♭7とE7のトライトーン<ラ♭(ソ#)、レ>の二つのトライトーンが合体してできており、上記の四つのドミナントセブンスが包含されていることも分かると思います。(図.4、図.5)


【図.5-1~5.3】

楽譜

ピアノの鍵盤

ピアノの鍵盤


また、この時のスケールは、構成音自体は同じでも、

・ドミナントセブンスのルート音基準で考えた場合

→半音/全音が交互で繰り返されるドミナントディミニッシュスケール(日本での通称はコンビネーションオブディミニッシュ=「コンディミ」)

・ディミニッシュコードのルート音を基準で考えた場合は、全音/半音が繰り返されるディミニッシュディミニッシュスケール

と呼ばれます。紛らわしいので注意してください。(図.6)※尚ダブルディミニッシュの話は割愛します。

【図.6-1】

楽譜

【図.6-2】

ピアノの鍵盤

 ここまでをまとめると、G7やD♭7だけでなくE7や、B♭7も♭9でディミニッシュ化して、C△7に解決できると解釈することが可能だということが分かります。

 そして、ここまでが前置きで、ここからようやく本題に入ります。上記までの内容は、まだ比較的知られた内容ですし、「そんなこと知っているよ」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、せっかく読んだけどつまらない、とがっかりせずに先をお楽しみください。


 

 では、ディミニッシュではなくて、「セブンスの状態」で全て4つが互換できるか、ということを考えていきますが、先に結論を述べると、可能です。(だからこういう記事を書いています。)更に、そこから理論を拡大して、この互換をかなり大きくとらえることができます。ここから段階を追って、それについて細かく考察していきます。


 まずE7のC△7への解決についてです。このような長3度下への解決を考える場合、まずはE7の裏コードであるB♭7からC△7への解決からアプローチするのが良いです。なぜならば、こういった全音上への解決の方が、圧倒的に実例が多いからです。

 キーは違いますが、It could happen to youや、There will never be another you、But not for meといった曲のB部の2~3小節目(キーをE♭メジャーとした場合でD♭7からE♭△)、Just Friendsの4~5小節(FメジャーでE♭7からF△)、チェロキーの8~9小節(B♭メジャーでA♭7からB♭△)、他にも、ステラ、Lady Birdなど、探せばまだまだ出てくるでしょう。


 こういった進行のセブンスにおけるスケールの選択肢として、代表的なものがリディアンセブンスです。こういった、素直にシンプルに考えて、普通5度下に解決したいセブンスが、「よく分からない所」に進行する場合、大抵、リディアンセブンスで考えれば問題が発生する可能性は低いです。

 よって、例のB♭7からC△7も同様に考えます。そうすると、既にG7とD♭7にて述べたように、B♭7のリディアンセブンスはE7のオルタード、さらに言えばFメロディックマイナーと同じですから互換が可能です。(図.7)


【図.7-1】

楽譜

【図.7-2】

ピアノの鍵盤

 セブンスが全音上に解決するパターンに対し、このような長三度下のメジャーセブンスに解決する進行は意外なほど少なく、Soul Eyesくらいしか見つけられませんでした。もし、他の曲をご存じの方がいらっしゃいましたら、ご教示頂ければと思います。


 ここでいよいよ、今回の重要ポイントに入り、E7のオルタードと互換できる、Gsus♭9(サス-フラットナインス)というコードに登場してもらいます。聞きなれないコードだと思いますが、スケール構成音はE7のオルタードと同じ、すなわちFメロディックマイナーとも同じです。ここではGから始まるため、「Fメロディックマイナーを2番目から始めたスケール」ということになります。♭9を経過し、susつまり4度が入るセブンスです(図.8)


【図.8-1~8-3】

楽譜

楽譜

ピアノの鍵盤


 よって、E7-C△7の進行は、Gsus♭9-C△7と互換できるということになります。つまり、G7-C△7(ここではGオルタードに絞りましょう)とGsus♭9-C△7という二つの進行があり得るということになります。


※補足:キーが変わりますが、この5度下へ解決するsus♭9の響きは、Nica’s Dream(B♭マイナーとする)のB部の6小節目、A♭sus(♭9)からD♭△7への解決で聞くことができます。ということは、A♭sus(♭9)のD♭△7への解決は、F7のオルタードでも同じということになるのです。もう一つの例は、こちらの記事でも取り上げたBud Powellのアナザーユーのイントロの最後の2拍3連の部分です。ここのB♭7は、私にはミ♭が聞こえてきまして、ほぼ間違いなくB♭sus(♭9)だろうと考えています。つまり、Gのオルタードと同じです。

 もう少し拡張して考えれば、Donna LeeのC7からFmへ進行するC7をsus♭9と考え、A7のオルタードのサウンドを入れることも同じ考え方になります。

 これらの和音は、5度進行しているけど、音使いは「解決先から見た3度セブンスのオルタード」とシンプルに考えた方が私は直感的に理解ができます。メロディックマイナーだとか、2番目だとか、考えていません。突き詰めれば同じことを言い換えているだけですが、理論はあくまで理論ということです。あなたはどのように考えるのが考えやすいですか?


 さて、この鋭い方からは、Gsus♭9ではトライトーンが入っていないから、トライトーン・サブスティテューションになっていないではないか。という突っ込みがありそうですが、その通りです。ですから、私の拡大解釈だと思っております。ただ、もう少し進むと、より包括的に互換の考え方が進むので、もう少しお付き合い下さい。


 次に、思い出して頂きたいのは、オルタードのセブンスは長三度下のメジャーセブンスに解決可能(E7-C△7)である。ということです。つまり、G7のオルタードはE♭△7に解決可能です。

 ここで、また一つ私の拡大解釈が発生します。(ところが、下記の通り説明可能であり、あながちそうとも言い切れないのですが。)

 つまり、「G7ではなくGsus♭9」をE♭△7に解決させてしまう。ということです。なぜ、これが言えるかというと、sus♭9というコードは、上記の「メロディックマイナーの2番目のスケール」といった構成音以外に、フリジアンスケールのコードでもあるからです。と言うより、むしろ、フリジアンの方が、このコードに対して適用される最も重要なスケールと言えます。


 ここで、フリジアンスケールのコードは、ダイアトニックコードの3番目のm7コードではないか?と思われた方は鋭いです。すなわち、CメジャーでいえばEm7、E♭メジャーならばGm7ということです。しかし、Mark Levineによれば、そうではないようです。そうではなく、フリジアンは、sus♭9ということです。


 つまり私の考察として、Gsus♭9から、E♭△7への進行において、Gsus♭9をフリジアンスケールで考えて、ここはE♭メジャーに転調していると拡大解釈できるはず。ということです。ただし、私の理解できる限りにおいては、この点について記述がみられません。


 ここまでの内容の通り、sus♭9は、メロディックマイナーの第2モードと、フリジアンの二つのスケールを持つコードということになります。そして、これら二つを比較した場合、実はフリジアンの6番目(Gsus♭9ならE♭)を半音上げると、メロディックマイナーの第2モードと同じになります。(図.9)よって、便宜的に、後者をフリジアン#6スケールと呼ぶことにしましょう。※注意:こんなスケール名は私の知る限り存在しません。ここでの説明を簡略化するために、勝手に私が命名しただけですので、よそで使用しても通じません。


【図.9-1~9.3】

楽譜

ピアノの鍵盤

ピアノの鍵盤

一度ここまでをまとめます。

・全音上の△7に解決するセブンスはリディアンセブンススケール

・セブンスはオルタードで長三度下の△7に解決する

・5度下に解決する場合、オルタードだけでなく、sus♭9も互換できる

・その場合のスケールは「フリジアン#6(上記、注記も参照のこと)」

・sus♭9はフリジアンスケールと、フリジアン#6のコードである

・長三度下の△7に解決するsus♭9コードはフリジアンがサウンドするはず(管理人の考察)


 

 ここまでで、△7への解決の説明が終わりました。書籍によれば、解決先はメジャーもマイナーも関係ないとのことなので、次はm7への解決についてです。


 これは△7より考察が難しく感じます。まず、素直に長3度下のマイナーセブンスへ解決するパターンも少なく、Stablematesの4~5小節目の他に、I remember CliffordのA部の最後しか登場するものが見つかりませんでした。後者は、ツーファイブの連続と取れなくもないですが、とりあえず、いずれも長3度下への解決進行です。Benny Golsonはこの響きが好きなのでしょうか笑。

 これ以外の曲ではあまりこの進行は見られませんが、いずれにしてもこのセブンスはオルタードの響きでサウンドします。(Up jumped Springでも似た進行はありますが。)

 ということで、長三度下のm7へ解決は考察済みとしましょう。尚Cm7に対してならば、E7に相当します。


 よって、自動的にB♭7からリディアンセブンスでCm7に解決すると考えても互換可能となります。しかし、このような進行は意外と見当たらず、実際の曲の代表的な例としては、辛うじてMy one and only loveの最初の所くらいしか思い当たりませんでした。


 同時に、B♭7をDm7♭5の代理コードと解釈する場合も考えておきます。(この代理自体は一般的です。)この場合、Dm7♭5をロクリアンスケールで考える方が一般的ですが、2番目(E♭)を半音上げてロクリアン#2にすると、Fメロディックマイナーと同じ構成音となります。なんだかどこかで聞いた話ですね。それはともかく、このようにMark Levineはとことんメロディックマイナーの互換という考え方で、スケールとキーによる理論を展開しています。(図.10)


【図.10-1~10-2】

ピアノの鍵盤

ピアノの鍵盤

 ここまで来て、ピンときた方もいらっしゃるかもしれませんが、FメロディックマイナーということでGsus♭9が登場します。もう一度思い出して頂きたいのですが、このコードに当てはまるのは、フリジアンと、フリジアン#6です。何度でも繰り返しますが、後者はFメロディックマイナーを2番目から始めたスケールです。(図.9)

 つまりB♭7-Cm7は、更に、Gsus♭9-Cm7という進行に互換可能になります。そして、G7オルタード-Cm7は自明の進行ですので、この二つの進行が適用されます。


 ただし、この解釈にはまだまだ考察が行き届いていない点が大きく二つあると考えております。

まず一つ目が、上記My one ~もDm7♭5も、G7を挟まないでCm7へ解決するのは現実的でない。ということです。実際、大抵My One~はルート音Bを経由します。

 このシの音はディミニッシュでも、G7オルタードの3度でもどちらと捉えても良いのではないかと考えます。この辺りも、理論的に正しい説明はあるのでしょうが、そこまで細かく定義する必要があるとは思えないです。結局、このG7を挟まないとCm7に行かない、というのが、全音上のm7へ解決するセブンスコードが見当たらない理由かもしれません。それに関連するのが、以下の二つ目の点です。


 それは、このm7(Cm7)をE♭△7の代理と捉えるかどうか。ということです。

 もちろん、曲のキーやコード進行にもよりますが、そもそも、その部分をどう解釈するかで、変わると言えそうですので、判断が難しいです。もし代理と捉える場合、メジャーで説明した内容が思い出されるでしょう。Gsus♭9-E♭△7とGsus♭9-Cm7が同じ進行になるのです。

 こうなると、Gsus♭9はフリジアン#6だけでなく、フリジアンも適用可能ということになります。 尚、ややこしいため、あえてここまで触れてきませんでしたが、実はフリジアンの6の音は、#6に比べて不協和度合いが強いことは頭に入れておいて損はありません。要は、E♭△7に行く前に、Gsus♭9フリジアンの時にミ♭を弾くと、不協和だ、ということです。


 これはオルタードの♭13が特徴的なことを考えると、面白い現象です。むしろ直感的には、ミの方が不協和になりそうだと思うものです。あるいは、B♭7-E♭△7となった場合は、通常の5度進行になるため、B♭7にオルタードが適用可能になります。この結果、リディアンセブンスと両方が互換可能となります。また、E7からE♭△7は半音で下がる解決ですから、こちらのE7は逆にEリディアンセブンスとなります。よって結局全部適用できる、と言う結果になってしまうのです。


 これらのことから、最終的には、どういった音を選択するかは個人の感覚であり、理論はガイダンスであって、絶対的なルールではないことが示唆されます。是非、ルールに縛られず、音源を聞いて、ジャズジャイアントのアイデアから学びましょう。


m7への進行について、まとめます。

・長3度下のm7へ解決するセブンスはオルタードがサウンドする

・全音上へ解決する場合は、リディアンセブンスとなる。

・しかし全音上への解決について、間にⅤセブンスを挟む進行が現実的と考えられる。

・m7を△7の6度代理と考えるかどうかは、解釈しきれていない


最後に、ここまでの内容から、

D♭7オルタード-Am7

Esus♭9-Am7

G7リディアンセブンス-Am7

が互換可能であることも分かります。(もう勘弁してくれ、という声が聞こえてきそうですが・・・)

そして、これらのセブンスのスケールはDメロディックマイナーと同じ構成音となります。(図.11)


【図.11-1~11-2】

楽譜

ピアノの鍵盤

 通常のE7オルタード-Am7とB♭7リディアンセブンス-Am7は明らかですので、Cメジャーの平行短調である、Aマイナーへの進行もこれでカバーできました。残念ながら、こちらも上記のm7のまとめに挙げた4番目の項目「m7を△7の6度代理と考えるかどうかは、解釈しきれていない」と関連づけて、メジャーとマイナーの関係を上手く説明するには私では力不足です。


 しかし、ここまで詳細に説明したからこそ伝わることもあるかと思いますが、あまり理論にこだわり過ぎることないことも大事だということです。さすがに、こんなことまで考えなくても、ピアノは弾けるはずです。


トライトーン・サブスティテューションについて、基本的な所から出発し、ここまで説明を進めてきました。たまにはこういった内容も面白いだろうと思って掲載しましたが、楽しんで読んで頂けたならば幸いです。ちなみに、他に、サニーサイドやI remember youなどで登場する半音上に解決するセブンスも比較的登場しますが、このタイプのセブンスはオルタードだという言及にとどめます。

以下に、ここまでの内容を俯瞰できる図を掲載しておきます。(図.12)

頭の整理にご利用下さい。

【図.12】


トライトーンサブスティテューションのまとめ

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