
隠れ名盤紹介 その12
Michel Petrucciani 「Au Theatre Des Champs-Elysees」
タイトルがよく分からないことになっていますが笑、「シャンゼリゼ劇場」でのライブ録音です。
ペトルチアーニが円熟しきった(と言っても、年齢的には若いですが)、90年代のソロは、どれも甲乙つけがたいものがあります。この作品もまさにその時期、94年ですが、他にはドイツでの「Solo live」やそのコンプリート盤、Concerts Ineditsのソロ、Promenade with Dukeといった作品も出しています。(最近、デンマークでの録音が発掘されましたね。)
ペトルチアーニはソロ作品が多く、初期の頃にはOracle’s Destinyや100 heartsといった作品もあります。しかし個人的には、初期のものは自身の身体的なハンディに対するやり場のない感情がひねくれた形で垣間見えるように感じることがあり、後期、90年代の方が聴きやすく、素直に楽しめると思っています。
ペトのソロは、メドレーのようにしてとめどなく曲が流れる構成になっていることが多く、トラック1もまさにそれです。40分に渡るメドレーですが、40分がちっとも長く感じることなく、むしろ、もう終わってしまうことに、物足りなさすら感じてしまいます。
一流ピアニストのソロはもちろん、いずれも大変優れています。ただ、個人的に、ペトのソロを聴いていると「ピアノって本当はこれだけの表現の可能性があるのだ。自分がいかにその表現を引き出せていないか痛感する。」と、最も感じるピアニストです。
ちなみに、ジャレットのケルンコンサートやThe Melody at night with youは世間的にも名盤によく取り上げられる一方で、ペトの作品はなぜか、知名度が低いので、「隠れ名盤」のコーナーらしく取り上げてみました。もちろん、どちらが優れているという話をしたいわけではありません。音楽は好みですので、好きなものを聴きましょう。
Disc 1
1. Medley Of My Favorite Songs
2.Night Sun In Blois
3.Radio Dial/These Foolish Things
Disc 2
1.I Mean You/Round About Midnight
2.Even Mice Dance/Caravan
3.Love Letter
4.Besame Mucho
Michel Petrucciani (piano)