
隠れ名盤紹介 その14
Ronnell Bright 「THE RONNELL BRIGHT TRIO」
某大手中古ショップとしては「すごい奇跡」らしいです。
58年の録音ということで、全体的には古き良き時代のオーソドックスなピアノトリオというイメージ。
といっても、サラ・ヴォーンの伴奏を務めるほどのピアニストらしく、腕は確かです。
序盤、ブルースが続いた後、アップテンポの5や、ミディアムスローの6など、演奏として幅も広く、
最初から最後まで安定したスイング感を聞かせてくれます。
フィニアスほど音数が多くてバカテクな感じはしませんが、
ああいった技巧が安定している、アウトしない音使いの系統が好きならば、
きっと気に入る一枚のはずです。
1 Sail 'Em
2 Things Ain't What They Used To Be
3 Johnnie Pate's Blues
4 R And R Groove
5 The Champ
6 Easy Listening
7 Chasing Sarah
8 Doxology
Ronnell Bright(p)
Richard Davis(b)
Art Morgan(ds)
Peter Beets Trio 「 Portrait of Peterson」
素晴らしいメンバーによる、素晴らしいピーターソントリビュート。
ピーター・ビーツのオリジナルである1を除き、
ピーターソンのレパートリーを集めています(ピーターソンオリジナル含む)。
ピーターソンの曲は、ピーターソン自身の演奏以外認められない超保守派のピーターソンファンでもなければ、
最高の一枚になること間違いなしです。
ピーターソンが大好きだけど、彼の曲を本人以外が演奏しているのも聴いてみたい人に最高におススメです。
選曲としては、比較的キャリア後期のレパートリーである2、4、6から、代表的なオリジナルである3、7、
We get requestsの演奏が有名な5など、バランスも良く、ビーツのピアノを徹底的に堪能できます。
全体的には、テンション高めのハッピーな雰囲気ですが、
3、7、9の様な曲を上手く配置して落ち着かせることで聞き疲れもしません。
あと、ピーター・ビーツのスタイルが、ピーターソンの影響を明らかに主体にしつつ、
バップと新しい時代のスタイルを垣間見せるのに対し、同じピーターソントリビュート作品でも
小曽根真さんの「Dear Oscar」は小曽根さんのオリジナリティが強いです。
そういった聞き比べも面白いかもしれません。
それでも1曲目に、それぞれオリジナルのトリビュート曲を配置するのは、興味深い類似点です。
1. Blues For Oscar
2. Sushi
3. Hymn To Freedom
4. Nigerian Marketplace
5. You Look Good To Me
6. Cakewalk
7. Wheatland
8. Reunion Blues
9. Nightingale
10. Younger Than Springtime
Peter Beets(p)
Reuben Rogers(b)
Greg Hutchinson(ds)
