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ピアノ経験者がジャズピアノを始めたときに、 挫折しないために知っておくべき重要ポイントについて

  • 2024年8月31日
  • 読了時間: 8分

  こんにちは、ジャズピアノ研究室管理人の田中です。


 先日、メルマガ登録の無料プレゼントを一部更新しました。


 それは、これまでのチェロキーのボイシング練習などの練習資料以外に、

 「ピアノ経験者がジャズピアノを始めたときに、 挫折しないために知っておくべき重要ポイント」について約37000字に渡って解説したPDFファイルです。


 それをあなたがお読み頂いた方が良いかどうかは、下記に記載したの冒頭の内容をお読み頂ければ簡単に判断できるかと思います。

 是非、あなたご自身で確認して頂き、内容の先が気になったらメルマガ登録して頂ければと思います。



この度はジャズピアノ研究室のメルマガにお申込みいただきありがとうございました。


こちらをお読み頂いているということは、多少なりともジャズピアノを弾くと言うことに興味をお持ちなのだと思います。そこで質問させて頂きたいのですが、あなたはジャズピアノといってどんな演奏を思い浮かべるでしょうか?


ジャズバーでベースやドラム、サックスやトランペットとバンドを組んで演奏している、いわゆるジャズピアノ。バーやラウンジなどで流れる静かなBGMの様なオシャレなソロピアノ。駅ピアノなどで譜面もないのにいきなり弾き出す派手なピアノ。ジャズアレンジの楽譜を買ってきて、そのアレンジを楽しむこと。それぞれのイメージがあることでしょう。


しかし、本書においてジャズピアノとは、主にバド・パウエルやビル・エヴァンスなどのジャズジャイアントの演奏に基づいた、ビバップやハードバップ、ポストバップといった演奏スタイルと定義したいと思います。演奏する曲は、ジャズスタンダードナンバーやミュージシャンのオリジナルが中心です。


それでは、そのジャズを弾くとはどの程度レベルの演奏を想定すれば良いのでしょうか?音楽に限らず、習熟度のレベルはグラデーションであり、ジャズにおいて「演奏できる」というのをどこに設定するのかは人によって基準が違うかもしれません。そのためここでは、ある程度ジャズを趣味として弾ける。というレベルの目安は以下に挙げる位としたいと思います。


・町のセッションで演奏されるスタンダードナンバーの一般的なコード進行を数曲以上は覚えている


・バッキング、アドリブ、4バースなど、ロストせずに1曲通してアンサンブルできる


・一番目に挙げたような一般的なスタンダード(メジャー、マイナーキー共に)に合うミディアムテンポのイントロを出せる


・特に得意な曲であれば、2、3曲はピアノトリオが可能


 また、上記以外の派生や類似として、スイングピアノやストライドピアノ、私がジャズをやるきっかけとなったビッグバンドも含めることにしましょう。ちなみにビッグバンドというのは、映画「スイングガールズ」のような16人程度の大人数で演奏するスタイルのジャズです。


 上手く言えませんが、要するに音楽が好きな人ならもちろん、普段音楽を聴かない人でも、大抵の人がそれを聴いた時に「これはジャズでしょ。」と漠然と感じられる音楽と言えるでしょう。今もそうなのか分かりませんが、かつて居酒屋の坐和民は、BGMが必ずジャズでした。それを聴けば誰でも、好き嫌いは置いておいて、とりあえずそれがジャズであることは分かったはずです。まあそういうことです。

 

 感じ方は人それぞれのため厳密な定義が難しいですが、「ジャズ?」とか「ジャズっぽい」とか「ジャズアレンジ」という枕詞が付かないということです。一応ブログでは再三記述している注意点ですが、私はこれらの各々のスタイルの優劣や良否を論じたいわけではないことはご理解頂きたくお願いいたします。


 さて、私がジャズに初めて出会ったのは、大学のジャズビッグバンドサークルでした。実は、その時の私はそれこそ、モダンジャズを聴いた時に「これはジャズでしょ。」と感じる程度のジャズ知識しか持ち合わせていませんでした。当然、ジャズをやりたいとか、憧れがあったわけではありません。それでもそのサークルに入った理由は、大学でピアノを弾けるサークルがそこしかなかったからです。


 その当時は、クラシックのピアノ曲を聴くのが好きで、弾けもしないクラシックの曲の楽譜を買ってきては自己流で弾いている日々でした。ですから、そこからジャズピアノの魅力を理解して、ジャズに打ち込むようになるまで入部後、約1年かかりました。あと、現役時代はビッグバンドばかりやっていましたので、コンボと言われる、アドリブ中心の少人数バンドをやり始めたのは、卒業した後からです。


 そしてその後、何だかんだ20年近く経過し、当初からは考えられないことですが、すっかり人生の約半分の期間、ジャズを聴き、ライフワークとしてジャズピアノに向き合うことになりました。


 ここでは、そんな私がジャズピアノに興味を持ち、ジャズを弾いてみたいと思っている、ジャズ以外のピアノは経験済みの方に向けて、僭越ながら、少しでもお役に立つ情報を提供できれば良いなと思い、その内容をまとめました。


 しかし、内容に入る前に、これだけは最初にお断りしておきます。きれいごとは言いません。余程センスのある人を除いた大抵の人にとって、憧れやイメージだけで上達できるほどジャズは甘くないです。


 もちろん、まずはジャズに興味を持ち、弾いてみたいと思うことは素晴らしいことだと思います。また現在、ジャズを弾きたいと強く思っているにも関わらず、なかなか上手く行かないと悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。たまたま最終的にジャズに流れ着いた私よりも余程、強いジャズ愛があるでしょう。


 しかし、少ない練習で、楽に、手っ取り早くジャズが上手くなりたいと思っている場合、そのような方法はないことを知っておいて頂ければと思います。


 手っ取り早い上達と、なるべく回り道をせずに最短コースで上手くなろうとするのとは、似て非なることではありますが、仮に最短コースというものが存在し、それをまっすぐ進めた場合の話でも、それは果てしなく長い道のりです。


 ジャズの演奏はコード進行の上で、そのコードに則ったアドリブを展開する、という非常につかみどころがなく、毎度の演奏の再現性が低いものです。そのアドリブは、パーツはジャズジャイアントのアイデアだとしても、組み上げるのは自分自身です。


 最悪細かい理論のことは分からなくても、誰かが作曲、編曲してくれて、一通りちゃんと曲になるように出来上がっている楽譜を丸暗記して、徹底的に動きを体に覚え込ませる。というアプローチも通用しません。アドリブを聴いてそこからコード進行を聞き取り、「これは枯葉だ。これはAトレだ。」と判別する能力が求められます。


 それなりに物にするまでに少なくとも、年単位で考える必要があります。特に、既にクラシックなどでピアノを学び、かなりの腕に到達している方におかれましては、少なく見積もって2年、長ければ4~5年やそれ以上の期間、「これならば楽譜を弾いている方がよほど楽しい、ちゃんと音楽を奏でていた。」「下手で人前で披露する気にならない。」という歯がゆい思いをする可能性を視野に入れた方が良いでしょう。


 そんな思いをしながらもジャズピアノを続けるには、何よりもまず、ジャズピアノが好きである必要があります。少し見方を変えれば、続けてさえいれば、必ず上達するという部分はあるのは事実です。だからこそ、既に述べた通り、年単位で考える位の視野が必要です。そのためにジャズが好きでなければ、そのような長期間、気持ちが続かないということです。


 私の場合は、ジャズに打ち込むまで1年かかりましたが、それでも辞めずに続いた理由は以下の通りです。


「サークル活動という、純粋なジャズ愛以外に継続のモチベーションがあったこと。そこで、最低限のジャズを弾く強制力が働いていたこと。その一方で寛容な先輩方が、私がジャズ以外の曲を弾いていてもある程度許容してくれたこと。」


 つまり結果的に、ジャズに取り組むべき強制力と、ジャズ以外の音楽に取り組む自由度のパワーバランスが絶妙だったということです。だから、知識もやる気もゼロの状態から徐々にジャズに入り込むことができました。この絶妙なパワーバランスはもはや偶然に近いと言えまして、特に社会人になってからは、強制力が弱く、自由度が高くなります。そのため、中途半端にジャズに近づいても、そう簡単にジャズを続けられる環境が再現されるものではないでしょう。


 実際、これまで社会人になってから知り合ったクラシックピアノ愛好家で、ジャズに興味を示す人は何人も見ましたが、実際にジャズに軸足を移している人は皆無に近いです。もちろん、それがダメだということでもありません。ジャズに興味を持つことは素晴らしいことです。しかし現実的に、一定以上のジャズへのモチベーションが無い状態ではなかなか続かないということです。


 ここまでの内容で「やっぱりジャズは難しそうだ。」「そこまでジャズは好きじゃない。」「ジャズに手を出すのはやめておこう」といった感想を持たれた方は、残念ですが、ここでページを閉じて頂いて構いません。あなたにはあなたのやりたい音楽があるのです。是非、それで音楽ライフを楽しんで頂ければと思います。もしかすると、いずれ何かのタイミングで本書のことを思い出し、もう一度読み直して、興味がわくこともあるかもしれません。しかし、少なくとも今はそうではないのでしょう。


 一方で、それでもこの先を読み、上達したいと思われる場合、ありがとうございます。私の書いた内容が少しでもお役に立てば幸いです。上記の「回り道」を少しでも最短距離に近づけるお手伝いができればと思っています。共にジャズピアノの上達のために歩んでいきましょう!



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「ピアノ経験者がジャズピアノを始めたときに、

 挫折しないために知っておくべき重要ポイント」

​ ・約37000字に渡り解説した、ジャズピアノをやり始める時に知っておきたいこと。


 
 
 

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